講演内容(巽和行先生)

IUPACでの新元素とその化学記号の決定に関わって

巽 和行(名古屋大学・特任教授)

 純正・応用化学連合(IUPAC)は化学者および化学技術者を代表する世界唯一の非政府国際学術団体です。新しい元素の発見は世界的なニュースとして大きな注目を浴びますが、IUPACは新元素の名前と化学記号を認証する権限を持ち,
無機部門がその実務を担います。2009年に原子番号112の元素名をコペルニシウム(Copernicium)、元素記号をCnとすることが決定されましたが、当時を振り返り新元素名および元素記号を承認する手順と、第112番目の元素が命名された具体的な経緯を紹介します。コペルニシウムに続き、2012年に第104番目と106番目の元素名と元素記号がIUPACによって承認されました。これら新元素の命名を記念して、2012年晩秋にモスクワの科学アカデミーで式典が大々的に営まれ、IUPACによって公式に命名が宣言されました。その様子も紹介します。現在、国際純正・応用化学連合(IUPAC)で名前と化学シンボルが認定されている元素は、理化学研究所の森田先生のグループで発見/合成された原子番号113のニホニウム(Nihonium, Nh)を含め、118個あります。