講演内容(北川進先生)

多様な金属元素を用いて機能化した多孔性材料

北川 進(京都大学高等研究院 物質-細胞統合システム拠点) 

 無機材料は2世紀、有機材料(高分子)は1世紀にわたる歴史を持っている。一方21世紀には豊かな社会を築くべく革新的材料の出現が期待されており、無機・有機複合材料に熱いまなざしが向けられている。この背景のもと有機物と無機物からなり無数の小さな空間(細孔)を有する多孔性金属錯体材料(特に分子が多数つながった構造を有するため、「多孔性配位高分子(PCP)」、または「無機・有機骨格材料(MOF)」とも呼称される)が創製され、その化学がこの20余年で飛躍的に発展してきた。この化学の画期的な点は,多様な形・サイズの規則的空間構造を有機分子や金属イオンの"ブロック"を使ってつくることができ、他に追随を許さない細孔表面積、吸着量をもつだけでなく、有機分子や金属イオン部位に、多様な元素を組み込んで機能化が可能なことである。これを用いてこれまで不可能とされてきた混合物や気体の分離、捕獲、大量貯蔵や、光応答性材料やポリマー合成などの様々な機能を実現することができ、現代の課題(地球環境、エネルギー、医療、健康)解決に貢献することが期待されている。
参考文献:
1. S.Kitagawa, Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 10686. Editorial
2. S.Kitagawa, Acc.Chem.Res. 2017,50,514. Commentaries - Holy Grails